事故事例・ヒヤリハットアーカイブ
科学の失敗図鑑:なぜ起きた?身近な大事故と回避の化学
「良かれと思ってやった」「ちょっとだけなら大丈夫」――日常の家庭や実験室で発生した重大ヒヤリハット事例を、化学反応のメカニズムとともに徹底解剖。事故を防ぐための教訓を学びます。
発生場所で絞り込み:
家庭・掃除重大化学事故
ペットボトルに生石灰と水を入れて密閉し破裂
関係する物質・条件:
生石灰(酸化カルシウム)水
何が起きたか(実際の状況)
乾燥剤の生石灰(CaO)に水をかけると温まるのを見て、ペットボトルに水と一緒に入れてフタを閉めたところ、数秒後に激しく破裂し熱水と強アルカリが飛び散った。
なぜ起きたか(化学的メカニズム)
CaO + H2O → Ca(OH)2 の反応は極めて大きな発熱(63.7 kJ/mol)を伴う。密閉容器内では水蒸気圧と空気の急激な熱膨張により内部圧力が一気に上昇し、容器が爆発的に破裂する。さらに生成した強アルカリ性の消石灰が目に入ると失明の危険がある。
CaO + H2O → Ca(OH)2 + 63.7 kJ
回避のための教訓・防止策
生石灰は絶対に密閉容器で水と反応させてはならない。廃棄時は十分な量の水に少しずつ加え、発熱がおさまってから中和・処分する。保護メガネ着用必須。
実社会での教訓:お菓子の乾燥剤(生石灰)を子供がおもちゃにしてペットボトルに入れ、破裂して顔面に重症の化学熱傷・視力障害を負う事故が消費者庁に複数報告されている。
実験室・家庭の安全のために